先日、KATANA(新型カタナ)の納車3ヶ月後レビューを書いたばかりだけど、気付けばセカンドバイクのGSX-R125が納車されてから6ヶ月経過していた。
俺の本妻は新型カタナではあるんだけれど、普段からGSX-R125のお世話になっているのも事実。ということで感想などを書いていくことにする。
なお本記事に記載している内容は、以下の動画にまとめている。
GSX-R125を一言で表すと…
常用域で好き放題にカチ回せる最高のおもちゃというのが、俺がこの車両に抱いているイメージだ。
”おもちゃ”というのは悪い意味で言っているのではなく「そのくらい安くて気軽に楽しめるよ」という意味で表現しているので注意!
ちなみに”GSX-R”は、スズキのフラッグシップ車であるGSX-R1000Rを始めとするスポーツ性を重視したバイクに与えられるネーミングである。
GSX-R125はその末っ子で、125ccとしての気軽さとGSX-Rシリーズらしいスポーツ性を併せ持ったバイクということになる。
GSX-R125の取り回し
GSX-R125は125ccの小排気量バイク(原付二種)なので、当然ながら足つき性は普通に良い。何よりとても軽い。
GSX-R125の足つき性
シート高は785mm。普段使いでは困ることはない。
身長173cm/体重55kgの俺が跨ると両足はベタベタに接地している。
意外にもシート高は現行250ccフルカウル車と同じくらいだが、ボディが細いから同じシート高の250ccよりも足つき性は良く感じる。
GSX-R125の車重
車重は装備重量ベースで134kg。軽すぎる・・・。
現行の250ccフルカウルスポーツの中で最軽量級のジクサーSF250でも158kgだ。
GSX-R125はそんなジクサーSF250よりも20kg以上軽いことになるから、このバイクの異次元級の軽さがわかる。
GSX-R125の走行性能
走行性能についても書いていこう。
125ccの良いところは公道走行でパワーを発揮できる点なので、今回は馬力やトルクについてもちょっとだけ触れていく。
GSX-R125のポジション
GSX-R125は小排気量車としては結構窮屈な姿勢を要求される。
車体が小さいのもあるけど、ハンドルがトップブリッジの下に装着されているのが大きな要因だと思っている。
多くの現行250ccフルカウル車はハンドルがトップブリッジ上に装着されているから、このあたりもR125がスポーツに振っているなーと感じるポイント。
だらしなく乗れば楽な姿勢も取れるが、折角のスポーツバイクなのでカッコよく前傾姿勢で決めていきたい・・・が、街乗りだと少し首が疲れる。でも好き。
とはいえ大型のSSと比較するとそこまでヤバイ前傾ではないので、普段からSSに乗っているかどうかで評価は変わると思われる。長らくNinja250に乗ってた俺にはキツかった。
GSX-R125のエンジン
GSX-R125は最高出力15psの水冷単気筒DOHCエンジンを搭載している。レッドゾーンは11,500rpmからなので完全なる高回転型。
6,000rpmあたりからエンジンが元気になって8,000~10,000rpmで最大出力に達するような印象がある。
「小排気量で高回転型だったら低速トルクが弱いのでは?」という不安はあったが、実際は街乗りで困るほど弱くもなく、追い越しや登坂に少し苦労する程度である。
速度に困ることも特になく、6速5,000rpm前後で余裕を持って法定速度に達する。逆に言うと、高回転域を堪能したいなら2~3速を故意に維持してやる必要あり。
余談だけども、YouTubeに投稿されていたサーキット走行動画を見るとノーマル状態でメーター読み138km/hを叩き出している。本当に125ccか…?
GSX-R125のサウンド
GSX-R125は高回転型の単気筒エンジンを搭載しているから、排気音も単気筒らしい小気味よいものが出る。
エンジンが元気になる6,000rpmあたりから明確に音に変化があり、8,000rpmを超えると125ccとは思えない程けたたましく唸り上げる。ギンモチィィィィィ!!
元々125ccの割にはかなり良い音なんだけど、ついつい8,000rpm以上まで回したくなるような、そんな音である。
流石にホーネット250を始めとする四発ニーゴーほどの恍惚感は得られないかもしれないが、125ccという枠の中ではダントツで良いサウンドだと個人的に思う。
GSX-R125の空力制御
見た目通りのフルカウルスポーツバイクなので、空力制御は考えられている。
通常の姿勢で走行すると胸から上辺りに風が当たるといった感じ。最大限まで前傾を取るとほぼ風は受けない。
ただフロントスクリーン自体はかなり小さいので、もっと楽に走りたい場合はスクリーン交換を検討しても良いかもしれない。俺は気に入っているのでそのまま。
GSX-R125のタイヤ
GSX-R125は125ccとしては大柄な前後17インチ設定で、装着しているのはダンロップのD102というオンロード用バイアスタイヤ。
125ccなのでタイヤが細身な印象があるが、素人目線ながら走っている時の不自由さやグリップ不足のようなものは感じない。
あと、タイヤとは関係ないけどブレーキはしっかり効くしABSも付いているので、いざという時の安心感はある。
GSX-R125の燃費
GSX-R125の燃費はお化け級。カチ回しても40km/Lを切ることはほぼなく、大人しく走れば50km/Lに達する事もある。
タンク容量は11Lあるので走行可能距離は400km以上。ツーリングに持ち込んでも困ることは全くない。
他の125ccバイクの中には50km/Lを超えるモンスターも存在するが、R125は走行性能も両立している点で差別化をはかっている。
ちなみに、山口~志賀島(福岡県)の日帰りツーリングに行った事があるが、最初の給油以降は追加給油なしで帰宅できた。今後も給油で困ることはないだろう。
GSX-R125固有の弱点
メインバイクとして乗る場合はわからないけど、セカンドバイクとして乗っている俺にとってR125は弱点がないマシンに思える。
とはいえそれだと「マジ最高!スズキさんパネェッス!」という結論にしか持っていけないから、大人の事情で、毛ほどしかない不満点も書いておく。
キーシリンダーの鍵がちょっと邪魔
GSX-R125はシャッター付キーシリンダーが搭載されている。
防犯を考えると付けてくれてるのはありがたいんだけど、解除用の鍵を別に管理しなきゃいけないのがちょっと手間だったりする。
ちなみにR125の前に俺が乗っていたGSX-S125(2018年式)も同じ機構を搭載していたんだけど、そっちは鍵と一体化してて邪魔な感じはなかった。
2020年式が羨ましい・・・
なんとマイナーチェンジされた2020年式のGSX-R125では、黒背景の反転液晶とハザードスイッチが実装されている。
ちょっと加工すればなんとかなる反転液晶はともかく、ハザードスイッチはホイホイ移設できるような代物ではない。
そんな訳で、最初からハザードスイッチが搭載されている2020年式が本当に羨ましくて仕方ない・・・オマケにカラーもカッコいいし。特にタイタンブラック。
同クラスはライバル不在
このバイクの良さは沢山あるけど、そもそも125ccスポーツバイクはGSX-R125の一人勝ち状態で他の車種を検討する余地がないのが現状だ。
なぜなら、日本4大メーカーが国内で正規販売している現行125ccスポーツバイクはこれ以外に存在しないからである。
海外ではヤマハのYZF-R125をはじめとしたライバル車種が多数販売されているが、国内で入手する場合は輸入車的な扱いとなるので面倒が付き物だ。
完全に余談なんだけど、海外ではGSX-R125のボアアップ版とも言えるGSX-R150が存在しているが、日本で入手するには当然ながら輸入取扱店舗で購入する必要がある。
総評
改めて考えても、GSX-R125は若手ライダーが選ぶ最初の1台目としても、大型バイク乗りが選ぶセカンドバイクとしても優れた1台だと感じる。
一目でGSX-Rだと分かるオンリーワンデザイン、圧倒的取り回しの良さ、そして常用域でカチ回せる高回転型エンジン…これが30万円台なのだから恐ろしい。
日本ではマイナーなジャンルの125ccスポーツバイクではあるが、多くのライダーにとって一考の余地がある最高のおもちゃだと、俺は思う。
オマケ:GSX-S125について
前述のとおり俺はGSX-S125にも乗っていた時期がある。せっかくなのでGSX-S125についてもちょっとだけ説明する。
GSX-S125って何者?
GSX-S125はスズキ製の125ccネイキッドバイクである。
”GSX-S”は新型カタナのベース車でもあるGSX-S1000を筆頭にしたストリートファイターバイクに与えられるネーミングで、S125はそれの末っ子にあたる。
125ccのストファイも日本市場では大変貴重な存在なので、S125もR125同様に稀有なタイプのバイクと言える。
GSX-R125との違いは?
基本の造りはS125もR125も一緒で、高回転型エンジンによって常用域でもカチ回せる魅力も共通している。
大きな違いはフルカウルスポーツかストリートファイターかであり、これによって車重・ポジション・価格に若干の違いが出ている。
具体的にはS125の方が軽くて安く、ポジションが楽になる。
GSX-R125/R125のどちらがオススメ?
どちらも楽しいバイクで、スペックもほぼ一緒なので好みで選べば良いと思う。
俺の場合は、メインバイクの新型カタナがストファイライクな車両だったので完全に対極なバイクになるようにGSX-R125に乗り換えた経緯がある。
GSX-S125は万能型
GSX-S125とGSX-R125のどちらにもそこそこ乗っていたから分かるんだけど、タイトでスポーツ性に振っているGSX-R125に対して、GSX-S125は兎に角万能。
「とりあえず安くて楽しくて万能な現行バイク何かない?」と言われたら、俺は迷わずGSX-S125をオススメする。
・・・それにしても125ccは車体価格が安いからメーカーの利益も薄いと思うけど、スズキさんはよくぞGSX-R125とGSX-S125を国内取扱してくれたものである。