先日、久々にマスツーリングの機会に恵まれた。メンバーは俺含めたいつもの3人と、将来的にバイクの免許を取りたいと考えている1人を加えた4人。
そのツーリング内で、俺以外の2人の愛車を試乗させていただく事ができた。
今回は2台のうち、イントルーダークラシック400の感想についてまとめていく。
なお本記事に記載している内容は、以下の動画にまとめている。
カスタムポイント多し
前提として書いておくが、今回の車両はカスタムポイントが多い。
- シート交換
- ハンドル交換
- ローダウン
- 全塗装(マットブラック)
…などカスタムされている。多分まだ色々弄ってる。ただしこれらは現オーナーによるものではなく前オーナーの趣味なのでお間違いなきように。
今回のレビューはこれらのカスタムが前提となっているので、イントルーダークラシック400の正当なレビューとは言えない。
イントルーダークラシック400を一言で表すと…
規格外なガタイと意外な上品さを持つ国産アメリカンというのが、俺がこの車両に抱いた印象である。
ライバル車としては、ホンダのシャドウクラシック400、
そして、カワサキのバルカンクラシック400、
それから、ヤマハのドラッグスタークラシック400などが存在している。
ライバル車とはいいつつも本来スペックを競い合うカテゴリではないが、なんと言ってもイントルーダークラシック400はデカい。中古車販売店で並んでても目立つ。
そんな400cc感ゼロなガタイの良さを持ちながらも、上品なエンジン特性および排気音のギャップがとても面白い。
イントルーダークラシック400の取り回し
そもそもアメリカンに取り回しを求めるのは間違いではあるんだけど、このカテゴリの不安材料はこれなのできちんと書いておく。
イントルーダークラシック400の足つき性
シート高は700mm。アメリカンのイメージ通りだ。
シート高が低いということは、その分だけ目線が低くなるということ。
なんと言ってもアメリカンの良さの一つはこれで、自動車に乗っているかのような目線で運転できる。
イントルーダークラシック400の車重
車重は275kg。当然ながら軽くはない。
ただ、車体そのものが低くデザインされていて重心が下に集中しているから、走行時の安定性はとても良い。
走行していない時の取り回しには難儀すること間違いなしで、バックする時は手押しするよりも跨って足でバックするほうが早い時もある。
ただしこの車両が特別重いわけではない。
最近は車重149kgのイントルーダー150のようなライトウェイトアメリカンもあるっちゃあるけど少数派で、一般的なアメリカンは総じて重いのである。
イントルーダークラシック400の走行性能
走行性能についても書いていこう。
ただし、筆者はアメリカンエアプなので体感した事を素直に書いていく。プロレベルのレビューは期待しないで欲しい。
イントルーダークラシック400のポジション
かつてないほどにラクなポジション。
アメリカンバイクは長い直線をどっしり構えてドコドコ走るのが醍醐味って印象があるんだけど、まさしくそれを体現している。
しかも今回のイントルーダークラシック400はカスタム車両で、もたれかかって座れる形状のシートに、バットマンハンドルっぽいクソデカハンドルがあるから一層ラク。
前オーナーは、このイントルーダークラシック400で極限の快適さを追求したかったのだろうか・・・。
イントルーダークラシック400のエンジン
399ccSOHC水冷Vツインエンジンを搭載。
275kgという重さながら、しっかりとこちらの要求するスピードをひねり出してくれるほどのパワー感はある。
ただ、全体的に落ち着いている印象を受ける。鬼トルクと呼べるものはあまりないように感じる。
ちなみに、ギアは5速の設定。
それから、イントルーダークラシック400は途中でFIに仕様変更されているが、この車両は2008年式なのでキャブ車。
(試乗した車両にはタコメーターが搭載されていないので、回転数ベースの話が欠片も出来なくてとても困る・・・)
イントルーダークラシック400のサウンド
Vツインの醍醐味といえば鼓動感であるが、この車両はエンジンパワー同様、基本的にはサウンドも大人しめ。
ただ、エンジンが元気になる回転域(多分高速域)ではショートストローク気味で癖のある音をドコドコと響かせてくれる。
イントルーダークラシック400の空力制御
アメリカンに空力制御は求めるものではない。
イントルーダークラシック400のタイヤ
前16インチ/後15インチ設定で、バイアスタイヤを装着。アメリカンタイプらしく前輪のほうがデカイ。
ちなみに、イントルーダークラシック400にはスポークホイールとキャストホイールの2タイプが存在するが、今回の車両は前者。
当然ながら、ABSは搭載されていない。
イントルーダークラシック400の燃費
俺の車両ではないので聞いた話でしかないが、400ccとしては標準的な燃費のようだ。
そもそもカチ回す車種ではないので、24km/Lくらいで安定している。
タンク容量は17Lあるので走行可能距離は400kmくらい。ストップ&ゴーを頻発して仮に20km/Lになったとしても300km以上は走るので、ツーリングに困ることはなさそうだ。
それから念の為書くと、ガソリンはレギュラー指定。お財布にも優しい。
なお、FI仕様のイントルーダークラシック400はタンク容量が15L設定になっている。この車両はキャブ車なので17L設定だ。
イントルーダークラシック400の気になる点
人から借りたバイクにケチつけるのはちょっと・・・とは思うんだけど、公平性を欠かないようにするために書いておく。
曲がりにくい(カスタムの影響)
普段ストファイやスポーツバイクに乗っている俺にとって、アメリカンバイクは総じて曲がりにくい。
そもそもアメリカンバイクというのは、大陸横断ツアラーよろしく、長い直線をドコドコ響かせながら走るバイクだ。日本の道路はあまり想定されていない。
それに加えて、今回の車両はローダウンとハンドル交換によるカスタムが施されているから、他のアメリカンバイク以上にコーナーに気を使う。
体重移動で曲がろうとすればマフラーの底面を地面とスッてしまうし、ハンドル操作で曲がろうとするとクソデカいバットマンハンドルが干渉してくる。
結局、ほどほどに体重移動をしつつ無理のないセルフステアで丁寧に自然に曲がるしかなく、繊細なコーナリングを要求される。
タコメーターがない
エンジンの項目でも記載しているが、このイントルーダークラシック400にはタコメーターが搭載されていない。
完全にフィーリングでシフトチェンジすることになるし、こういったレビューの際には「○○回転から~」というお決まりの文言が書けない。
ブロガーとして、大変困る・・・。
ハーレーの大型バイクと間違われる
別に弱点でもなんでもないんだけど、バイクに詳しくない人からはハーレーの大型バイクに間違われるらしい。
先日オーナーがこのバイクをコンビニに駐輪していた時に、「あ、ハーレーだ!!」とキッズから声を掛けられる事案が発生したらしい。
聞いた時はつい笑ってしまったが、要するにトヨタ以外のバンを「ハイエース」と呼んだりするのと一緒の現象である。由々しき事態と言えるだろう。
ちなみにこの車両、後日レビュー予定の本家ハーレーダビットソンのソフテイル・ブレイクアウト114よりもデカイ。あっちは1800ccでこっちは400ccなのに。
ちなみにインクラ400は全長が2,510mmで、ブレイクアウト114は2,370mmである。
総評
改めて、車両の特徴や気になる点を考えてみたが、やはり『上品さ』や『大人しさ』を大型バイクレベルの車体に落とし込んだ400cc国産アメリカンというのが適当だと思う。
『アメリカンと言えばハーレー・ダビットソン』という風潮もどこ吹く風、このバイクは普通自動二輪免許の範囲内で乗れてしまうのである。
「アメリカンってカッコいいんだけど大型二輪はちょっとなぁ…」という人にももちろんアリだし、「上品なアメリカンが欲しい」という人のニーズにもマッチしている。
更に言うと、この日本国内においては下道だろうが高速道路だろうが、400ccあればまず困ることはない。
パワー的に過不足無く、その上でレギュラー指定かつ燃費が良いバイクとして、イントルーダークラシック400は現実的にコスパの良い1台ではないだろうか。
決して大型アメリカンの下位互換ではない、独自の良さを持った1台だと感じた。