俺の元にメインバイクのGSX-S1000S/KATANA(新型カタナ)が納車されてから3ヶ月が経過した。
走行距離も3,000kmを突破して少しずつ新型カタナの事を理解できてきた頃だ。せっかくなので、新型カタナの感想などを書いていくことにしよう。
ちなみに、本記事に記載している内容は以下の動画にまとめている。
新型カタナを一言で表現すると…
大型バイク初心者にも優しいけれどリッター以上のパワーを持つマシンというのがしっくり来ると思う。
俺は3月下旬に大型バイクの免許を取得してそれから新型カタナに乗っているんだけど、大型バイク初心者の俺でも困惑するような点はほとんどなかった。
そもそも、KATANA/刀と言えばHAYABUSA/隼と並ぶほど有名なスズキのバイクシリーズで、その分歴史も長い。
曲がらない・止まらない・クソ速いというピーキーな性能に日本刀風なデザインを持った、異質な名車というのが俺が従来のカタナに抱いている印象。
ただ、新型カタナは先代からキャラクターが変わっていて、誰でもウェルカムな乗りやすさとスポーティさを両立している。
電子制御もしっかりついていて、特にローRPMアシスト(エンスト抑制機構)のおかげで、大型バイクながら発進や徐行も問題なくこなせる。
新型カタナの取り回し
走行中は初心者にも優しい新型カタナだが、走っていない状態だと足つき性が悪くて重いという難点が浮き彫りになる。
これは大型バイク全般に言える問題であり、何も新型カタナに限った話ではない。ただ大型バイク初心者にとっはて大きな壁となるので書いておこう。
新型カタナの足つき性
シート高は825mm。決して足つき十分とは言えない。
身長173cm/体重55kgの俺が跨ると土踏まずまで届かないくらい。
少しでも傾斜になっている場所だと、跨ったまま後退するのは難しいだろう。
新型カタナの車重
車重は装備重量ベースで215kg。お世辞にも軽いとは言えない。
特に、今まで125~250ccのバイクを中心に乗り続けてきた俺にとってどうしても相対的に重く感じてしまう。
2013年式Ninja250は車重172kgだったはずだし、セカンドバイクのGSX-R125に至っては車重が134kgしかないから仕方ない。
新型カタナの走行性能
走行に関わる各種性能についても書いていく。
あくまで公道走行メインなので、馬力やトルクについては割愛する。
新型カタナのポジション
ポジションは完全にストリートファイタータイプ。
ベース車のGSX-S1000がストファイなので、そのまま継承した形になっている。
アップハンドルなので、非常に楽な姿勢で操作できる。
新型カタナのエンジン
新型カタナのエンジンは、旧GSX-R1000の高回転型エンジンをベースにしている。
ストリート向けにチューンされているようで、低回転域でもトルクフルなので街乗りで困る事はない。
ただしリッター4気筒なので足元からのエンジン熱がヤバい。ブレイクアウト114の空冷Vツインに比べたらまだマシか・・・。
新型カタナのサウンド
新型カタナはノーマルマフラーの排気音が異常に大きい。
普段はリッター4気筒らしい重低音サウンドを奏でてくれるが、高回転域に突入すると徐々に高周波サウンドにシフトしていくのが堪らない。
ただ、ご近所さんからの評判は良くない(うるさい)。乗り回すなら周りへの配慮を十分に心がけたい。リッター級全般に言えるか。
新型カタナの空力制御
新型カタナはスポーツ走行も可能なストリートバイクという位置付けなので、本家のSSと比較すると空力制御にはそこまで振っていないように見える。
ノーマルのフロントスクリーンに防風効果はほとんどないので、高速走行やロングツーリングで疲労の原因になることもある。
純正オプション含めて追加スクリーン類が販売されているので購入すべきだが、外観が変化するので商品選びは慎重に。俺は純正オプションの無駄買いをしたよ…。
新型カタナのタイヤ
新型カタナは素の状態だと、ダンロップのロードスポーツ2(17インチ)を装着している。
ロードスポーツ2はワインディング向けスポーツタイヤなので、新型カタナが想定している走行シーンはワインディングということになる。
実際、新型カタナに乗っていて一番楽しいと感じるのは峠などを走っている時だ。GSX-R1000由来のスポーツ性を発揮している感があってとても良き。R1000乗った事ないけど。
新型カタナ固有の弱点
満足度の高い新型カタナだけど、乗っていて気になる点が2つほどある。
- タンク容量が少ない
- 車体価格が割高に感じる
新型カタナはタンク容量が少ない
新型カタナはハイオク指定で燃費はリッター20km/L程度。街乗り中心だともう少し減るくらい。
それに対してタンク容量は12Lしかないので、300km走行するのは非常に難しい。
ロングツーリングに行くと給油頻度が多くなりがちで、一緒にツーリングするメンバーにしばしば迷惑をかけている。それもツーリングの醍醐味と言えばそうなんだけど。
ちなみにベース車のGSX-S1000はタンク容量17L。5Lほど減量しているのは、間違いなく新型カタナの美しいデザインを表現するためだろう。犠牲になったのだ…。
新型カタナは割高感がある
新型カタナは税抜価格で140万円。これを高いと見るかは人それぞれだが、他の車輌と比較すると割高な印象。
例えば、ベース車のGSX-S1000は税抜で104万円。S1000安すぎィ!
他には、リッターではないがライバル車と言えるZ900RSは税抜123万円だ。
言ってしまえばカタナはブランドであり、スズキさん的にも力を入れたバイクであるはず。ブランド代と考えるとこの価格設定も致し方ないか・・・。
総評
弱点もあるけれど、新型カタナがネオクラシックバイクとして独特の世界観を展開しているのは間違いない。
そしてGSX-R1000譲りの走行性能や、充実度の高い排気音も持っている。
弱点を補って余りあるほどの魅力が新型カタナには詰まっていると思う。
俺が大型二輪免許を取得してまで購入した1台だから、今後も末永く付き合おうと思っている。
オマケ:俺が新型カタナに乗る理由
俺が新型カタナに惚れて大型二輪免許を取得したのは過去記事や自己紹介に書いている通りなんだけど、そもそもなんで新型カタナなの?という話を書いておこう。
俺が新型カタナを選んだのは、遠い昔憧れたバイクの血を引く存在だからである。
遠い昔、憧れたバイク
遠い昔、俺の祖父が3型カタナ(通称:パカタナ)に乗っていた。
当時の俺は子供心に「カッコいい!将来はコイツに乗りたい!」と感じていたわけである。まあ、その頃は初代カタナ自体を知らなかったし・・・。
初代ではなく3型が好きというのは恐らく少数派だと思うが、俺にとって初めてのカタナは3型だ。
時は流れて、現代
新型カタナが発売された頃は経済的理由でバイクを手放していたから、バイク情報を追いかける余裕がなかった。
ミニマリストとして生活してなんとかバイク界に戻り、それから少し経過してようやく新型カタナの存在を知るに至ったのである。
憧れのあのバイクの正当なる後継機であるこの新型カタナこそ、俺が現代で大型バイクデビューを飾るのにピッタリな1台だと考えて契約したというわけだ。
新型カタナは異端児?
カタナの歴史は長い。1980年・・・俺が生まれる10年前に起こった『ケルンの衝撃』は、バイク界の中でも有名な話である。
そして歴史が長いものにはコアなファンがつきもので、新型カタナに乗っていると、「これはカタナじゃない」などと心の無い言葉を掛けられることもある。
けれどこの新型カタナをどう捉えるかは本人の勝手で、俺にとっては『憧れのバイクの後継機』でしかない。他人の考えなど俺にとってはどうでもいい。
異端児と呼びたいなら勝手に呼べばいい、俺にとってはこれが現代のカタナなんだと。常にそう思って乗り続けている。
もし新型カタナに乗っている人、あるいはこれから乗りたい人がこれを読んでいるなら、「周りの意見など毛ほども気にする必要はない」と言いたい。