唐突だけど、俺は『ゆるミニマリストで2台持ちライダー』である。
肩書にある「ミニマリスト」という言葉は2015年に新語・流行語大賞の候補になってから知名度は増えてるんだけど、どういうものか知らない人も多いハズ。
「ミニマリスト」については今後このブログで取り扱うテーマの1つだから、雑に説明しようと思う。
とはいえ俺は元マキシマリストそして元ミニマリストだ。現在はゆるミニマリストの身なので、あくまで元ミニマリストが語るミニマリスト像として捉えてほしい。
ちなみにマキシマリストはミニマリストの対義語みたいなものだから、この記事を読んだら以前の俺がどんな生活を送っていたのか想像できるかもしれない。
ミニマリストは引き算の使い手
ミニマリストは生活改善のために物を減らすことを選んだ人たちだ。
「生活改善するんなら普通は便利グッズとかを買い足さない…?」という疑問はごもっとも。例えばお掃除ロボットの購入なんかはそのパターンだ。
…では一つ例を出してみる。あなたの部屋に使い切りの芳香剤があるとする。
ここで芳香剤を手放すとしたら、どんなメリットがあるだろうか?
- 芳香剤を置いていた場所がスッキリする
- 芳香剤の残量を気にする必要がなくなる
- 芳香剤を補充する手間がなくなる
1は空間的余裕、2は精神的余裕、3は金銭的余裕と時間的余裕に繋がる。逆にデメリットは芳香剤の機能が発揮されなくなることだ。
ここで、「芳香剤がなくてもそこまで困らないし、色々気楽になるから芳香剤手放してみるか~」と考えるのがミニマリスト思想のはじまりだ。
…ほら、芳香剤を手放すことで生活が変わりそうじゃないかな?
ものを増やす『足し算の考え方』だけじゃなく、ものを減らす『引き算の考え方』も生活改善に役立つということだ。
ちなみに上記は俺がテキトーに考えた例だから「ミニマリストは芳香剤を持たない」という誤解はしないで欲しい。俺の部屋はラベンダーの香りに包まれてるから臭くない。
ミニマリストと節約家は違う
上記の例が極端だったので「ミニマリストは節約家なのね?」と勘違いさせてしまったら申し訳ないが、残念ながら目的が違う。
節約はミニマリスト思想が持つメリットのうちの1つでしかない。
では何が目的なんだという話なんだけど、とにかくリソース(金銭・体力・時間)を浮かせて余白を作る事を目的としている。
人間のリソース(金銭・体力・時間)は有限だ。
例えば、1日24時間のうち睡眠7時間と仕事8時間を考慮すると残りは9時間…さらに自分の事や家の事をする必要があるから、自由な時間はもっと少ない。
多くのミニマリストは、自由な時間を出来る限り自分のやりたい事に投資したいと思っていて、それ以外の要素をどうにかして削っている。
ただ、無駄を削ぎ落とすのは『贅沢』と真逆の行為だから、削ぎ落とした部分のみを見ると節約家や貧乏人に間違われることもある。あと、俺は現在進行系で貧乏だ。
ミニマリストに具体的な定義はない
具体例まで出したのにそりゃないぜって話なんだけど、残念ながらミニマリストという言葉に明確な定義はない。
というのも、Appleの元CEOだった故スティーブ・ジョブズ氏のような成功者たちが実践した無駄を排除するスタイルを、他人がそう名付けたに過ぎないからだ。
ジョブズ氏といえばタートルネックのイメージが強いが、「決断の回数を減らす」という合理的な理由によってあえて服装を1パターン化していたらしい。
ミニマリスト界隈では氏のように服装を1パターン化することを『私服の制服化』と呼ぶが、これをしないミニマリストも数多く存在する。俺もしてない。
つまるところ、具体的にどうしたらミニマリストかというのはないのである。結局のところ抽象的だが「引き算の使い手」というのが合っていると思う。
一応言うと俺はAppleやジョブズの信者ではない。このブログもSurfaceで更新している。でもIT業界人にとってジョブズ氏が偉大なのは事実だ。Apple製品がスマートなのも事実だ。
ミニマリストは最小主義者ではない
ここまでの話を聞いて「ほーん、じゃあ俺も物を捨てまくってミニマリストになるわ」って思っている人はもうちょっと待ってほしい。
ミニマリストは「最小主義者」と訳されるから誤解されてしまうが、決して引き算マスターではない。
大事なのは減らす事ではなく生活効率だ。ものを減らす事にこだわる必要はどこにもない。ものを減らす手段さえ知っておけば後は好きにすれば良い。
極端な話、洗濯機や乾燥機を手放せばものの数は減る。でもそれで手洗い洗濯をすることで本当に生活は豊かになるだろうか?…という事だ。
生活を豊かにするなら、例えば労働力や時間の縛りから解放されるドラム式洗濯乾燥機を導入するほうが遥かに効率的だし、利便性も上がる。
“Minimal”という単語は「相対的な最小」を意味している。「絶対的な最小」を意味する”Minimum”とは意味が異なるから、最小値は各々が決めれば良い。
俺にとってはバイクは必要なものだ。他人の「バイクは必要最小限じゃなくない?」という言葉に耳を傾ける必要はない。最小値は俺が決める。
ミニマリストは目指すものではない
これも勘違いされるポイントだけど、ミニマリストは目指すものではなくいつの間にかなっているものだ。
ミニマリストというのは不要な物を減らす→余ったリソースを必要な物に投資するという特化思想を好む人達の総称だ。
そしてミニマリストになるのは生活改善のアプローチの1つでしかないから、「ミニマリストを目指す」となると目的と手段が入れ替わっている。
大事なのはミニマリスト思想を取り入れてまで何を実現するか。ミニマリストになることはあくまで手段の一つで、過程でしかない事を心に刻んでおきたい。
俺は「カッコいいミニマリストを目指す」という間違った指針で行動して失敗した。ミニマリストになることに固執して、手放しすぎたのが原因だ。
何事も、手段と目的が入れ替わると絶対失敗する。
ミニマリスト思想に正解はない
色々と書いたんだけど、ミニマリストにも沢山の人がいる。共通するのは「引き算を活用している」点だけで、目的・大事なもの・手放すものは人ぞれぞれだ。
具体的な定義もないし、極めたから最高の生活になるという保証もない。ならば、自分がいいなと思う範囲でミニマリスト思想を取り入れるべきというのが俺の考えだ。
なお、実際に俺がミニマリストとして手放してきたものの一例は以下の記事にまとめている。興味があればこちらも読んでみてほしい。
ちなみに俺は、バイク趣味の為にリソース(金銭・体力・時間)が必要だからミニマリスト思想を取り入れている。